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「ミニ本」という新しい分野

 ニッチな分野に大手出版社は絶対に手を出しません。効率が悪いからです。その情報を必要としている人がごく限られた層である場合、大手出版社はそんなものを印刷して売ろうとは考えません。マニアックな本はたいてい何千円もしますが、それはニーズが少ないために発行部数も少なく、それゆえ一冊あたりの値段を高く付けなければならないからです。

 しかし電子出版なら、仮に読者が1人であってもいいわけです。10人いたら儲けものです。書いたり編集したりという手間はありますが、自分ひとりでやるなら出版そのものについては基本的にコストはかかりません。しかも、一般的な本の体裁にするには原稿用紙換算で200枚以上の文章を書かなければなりませんが、電子出版なら数十枚でも立派な本として出版できます。こうした短い本を、ここでは「ミニ本」と呼ぶことにします。

 この「ミニ本」は今後、一つのジャンルを築く可能性を秘めています。大手の出版社から出ている本はそれだけ多くの人の目に晒されているわけで、そういうものはもはや公知の知識になってしまいます。しかし「ミニ本」についてはよほど話題になったものでもない限り、たいていはニッチな存在です。独占とまではいきませんが、その本に書いてあることを知っている人は非常に少ないということです。情報は広く知られてしまったらもはや価値がありません。少人数で握っているからこそ価値があるものなのです。

 そういうニーズは必ず存在しますし、これまではそれをブログなどに書いて不特定多数の人にタダで提供していたことでしょう。しかしこれからはそこに価値を付けることができます。知識をお金に換えることができます。

 欧米では何かの専門家がちょっとした知識をKindleで出版して1冊あたり1ドルや2ドルといった値段で売っているケースは珍しくありません。そうした本はそれこそ数十ページのミニ本ばかりですが、それでも何十冊や何百冊は売れるのです。

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